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【調査レポート】SNSでシェアされるIPコラボキャンペーンの方程式とは?

株式会社Minto
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株式会社Minto
【調査レポート】SNSでシェアされるIPコラボキャンペーンの方程式とは?

株式会社Mintoは2025年1月に、15〜69歳の消費者1,364名に対して、IPコラボ*に関するアンケート調査を実施しました。この調査の目的は、消費者がどのようなIPコラボに対して好意的に反応し、購買・参加の欲求が高まるのかを分析・理解することです。

*ゲームやアニメ、マンガなどのキャラクター(IP)と、企業やブランドがコラボレーションし、共同で商品やキャンペーン、コンテンツを企画・製作・販売する取り組みのこと

IPコラボは今やマーケティング手法のひとつとして定着し、様々な商材・業界で活用されています。人気IPとコラボすることが、企業やブランドの認知や新規購入者、ファンの獲得に効果があることは明らかですが、その効果を最大限に高め、より多くのマーケティング効果を得るための方法論はまだ確立されきってはいません。

本稿では、そんなIPコラボの方法論の一部を解明することを目指しています。

調査結果サマリ

SNSでシェアされるIPコラボの方程式

本調査の結果から導き出した、SNSでシェアされるIPコラボの方程式をご紹介します。

IPコラボの方程式

男女ごとのシェア意欲の差異を意識

SNSでのシェアを狙う企画の場合、男女によってシェアの意欲に大きな差があることがわかりました。

一般的には男性のシェアの意欲が高く、広く話題化するキャンペーンが相性がよく、女性をターゲットとする場合はよりシェアを狙う界隈を絞った施策設計が必要と言えます。

キャンペーンのターゲットの特性に合わせたIP選定

選定するIPによってもシェアの意欲が大きく異なり、キャンペーンの結果に大きな影響を及ぼします。

特に女性をターゲットとする施策の場合、IPコラボとしての想起力が低くとも消費喚起力が強い「偏愛・投資型」のIPを活用することで、共感性の高い施策設計が可能となります。

話題化 or 熱量の目的に合わせたコラボレーション企画設計

特にSNS上での話題を狙う「無料SNSキャンペーン」か、熱量の高さによる共感性を狙う「イベント施策」などがIPコラボ施策としてのシェア意欲が高い傾向にあります。

「男性×無料SNSキャンペーン」「女性×イベント施策」の相性が良い傾向にありますが、起用するIPによるシェア意欲の差なども踏まえて、施策を設計する必要があると言えます。

調査資料のダウンロードはこちら

 

IPコラボのSNSシェア意欲を押し上げるのは【これまでにない意外性】

IPコラボをSNSにシェアしてもらうためにおさえるべきポイントとは何でしょうか。

本調査の結果、IPコラボのSNSシェア意欲*を最も押し上げるのは「”これまでにないコラボだ”という意外性」でした。

IPコラボのSNSシェア意欲を押し上げるのは【これまでにない意外性】

*IPコラボのSNSシェア意欲 = SNSなどでコラボについて「発信したい」「共有したい」という意欲の高まり

IPコラボのSNSシェア意欲

IPコラボのSNSシェア意欲が高いほど、平均IP消費額も高い

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲の回答結果ごとに、回答対象となったIPに対しての実際の年間IP消費額の平均値を算出しました。

シェア意欲が高いほど平均の年間IP消費額も高く、両指標の相関性を示す結果となっています。

IPコラボのSNSシェア意欲が高いほど、平均IP消費額も高い

IPコラボのSNSシェア意欲が高いのは10代〜30代

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲について、「とてもある」「まあまあある」の回答割合を年代ごとに可視化しました。

シェア意欲が高い順に【20代 > 30代 > 10代 > 50代 > 40代 > 60代】で、若年層のほうがシェア意欲が高いが、10代より20〜30代でシェア意欲は高い点は興味深いです。

IPコラボのSNSシェア意欲が高いのは10代〜30代

IPコラボのSNSシェア人口が多いのも10代〜30代

政府統計の人口動態データに対して、年代ごとに、本調査で判明したIPコラボの「SNSシェア意欲が高い割合」と、政府統計の「SNS使用率」をかけ合わせ、「IPコラボのSNSシェア人口」を割り出したところ、割合と同様に【20代 > 30代 > 10代 > 50代 > 40代 > 60代】となりました。

IPコラボのSNSシェア人口が多いのも10代〜30代

IPコラボのSNSシェア意欲は男性のほうが高い

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲について、「とてもある」「まあまあある」の回答割合を性別ごとに可視化しました。

女性は25.9%、男性は36.8%と、男性のほうが10.9pt高い結果となりました。

考えられる理由

  1. IP消費額とIPコラボのSNSシェア意欲はおおむね比例関係にあるが、男性のほうが女性よりもIP消費額自体が高いため、必然的に男性のほうがSNSシェア意欲も高くなりやすい。
  2. 女性はリスクに対しての意識が高いため、IPコラボに関してSNSでシェアをする際にも様々な要件を考慮する必要があり、それが結果的にSNSシェア意欲を押し下げる。
  3. それゆえ、SNSシェアするとなったときの熱量や思い入れは女性のほうが強くなりがちで、拡散される情報の起点が女性になることも多い。

IPコラボのSNSシェア意欲が最も高いのは20代/男性

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲について、「とてもある」「まあまあある」の回答割合を性別・年代ごとに可視化しました。

シェア意欲が高かった順に【20代/男性 > 30代/男性 > 10代/男性 > 50代/男性 > 30代/女性】となり、特に若年男性のシェア意欲の高さが伺えます。

IPコラボのSNSシェア意欲が最も高いのは20代/男性

IPコラボのSNSシェア意欲は、キャンペーンやイベントで高まる

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲について、「とてもある」「まあまあある」の回答割合をIPコラボの形式ごとに可視化しました。

シェア意欲が高かったのは男性が「無料のSNSキャンペーン」「商品購入時のクローズド懸賞」、女性が「イベント」「商品購入時のクローズド懸賞」で、特にキャンペーンやイベントでシェア意欲が高まりやすい傾向が明らかになりました。

IPコラボのSNSシェア意欲は、キャンペーンやイベントで高まる

女性のSNSシェア意欲が高いIPは『ハイキュー!!』『ブルーロック』

回答した各IPコラボのSNSシェア意欲について、「とてもある」「まあまあある」の回答割合を性別・コラボIPごとに可視化しました。

女性のシェア意欲が高い回答者の割合が高かったIPは『ハイキュー!!』『ブルーロック』『名探偵コナン』などで、これらのIPはIPコラボをSNSでシェアしたくなるような仕掛けがされていたり、SNSでシェアしたいほどの熱量があることがわかります。

女性のSNSシェア意欲が高いIPは『ハイキュー!!』『ブルーロック』

調査資料のダウンロードはこちら

男性・女性ごとのIP起用戦略

各IPについて、30〜40代のIP消費額(平均・合計)を計算

本アンケートで取得した各指標にもとづき、政府統計の人口推計なども利用して、各IPのIP消費額(平均・合計)を計算。

以下には、その中でも特に「推計される30〜40代の合計IP消費額(2024年)」が多かったIPトップ11を表示しました。

30〜40代のIP消費額

※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています

※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者の想起力や消費喚起力を表していない点にご留意ください

  • 1: 想起率の計算方法 【すべての回答者のうち、各IPを想起し回答した回答者の割合】
  • 2: 推計される30〜40代の合計IP消費額の計算方法 【1人あたり平均IP消費額×想起割合×30〜40代の人口】(30〜40代の人口は 2,964.2万人 として計算 参照元: 総務省統計局の人口推計-2025年3月報-)

30〜40代に人気のIPと、それらのIPの平均消費額・合計消費額

本アンケート内でよく想起されたり、高い消費額(平均・合計)になっていた、30〜40代に特に人気の高いIPを、「30〜40代の1人あたり平均IP消費額/年」と「推計される30〜40代の合計IP消費額/年」という2つの軸で整理しました。

解説

  • 1人あたりの平均IP消費額が高いIPは、映画が長年にわたり公開され続けているという特徴がある(例: 『ONE PIECE』『機動戦士ガンダム』『名探偵コナン』)。
  • 推計される合計IP消費額が高いIPには、キャラクターの可愛さに注目が集まる『ちいかわ』『ポケットモンスター』や、推し活文脈でも注目を集める『呪術廻戦』『鬼滅の刃』などが含まれる。

  • ※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています
  • ※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者のIP消費額を表していない点にご留意ください

30〜40代がIPと関わるときの4つの態度 「投資型・娯楽型」「偏愛型・博愛型」による整理

1人あたり平均IP消費額/年を【娯楽型・投資型】、推計される合計IP消費額/年を【博愛型・偏愛型】という軸に置き換え、各IPがファンにとってどのような存在かを整理しました。

IPコラボでIPを起用する際には、このようなファン心理を理解したうえで企画を立てる必要があります。

解説

  • 投資型・娯楽型
    • 「応援したい」「価値を広げたい」などの文脈で関わる「投資型」と、消費の喚起力に応じて「可愛い」「面白い」などの文脈で関わる「娯楽型」に分類される。
  • 偏愛型・博愛型
    • 特定のターゲット内で想起され強いコミュニティが形成される「偏愛型」と、ターゲットを問わず幅広く想起され、認知度が非常に高い「博愛型」に分類される。

30〜40代がIPと関わるときの4つの態度 「投資型・娯楽型」「偏愛型・博愛型」による整理

  • ※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています
  • ※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者のIP消費額を表していない点にご留意ください

男性のSNSシェアを狙うなら「娯楽型」のIPも狙い目

IPコラボを男性にSNSシェアしてもらいたいとき、タイアップするIPによってその効果が大きく異なります。

男性はSNSシェアに積極的なので、男性支持が強いIPであれば、1人あたり平均IP消費額が低い「娯楽型」のIPを起用しても、企画次第では多くのSNSシェアが期待できるでしょう。

男性に人気の娯楽 型のIP

  • ブルーロック
  • ドラゴンボール
  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • 鬼滅の刃
  • ポケットモンスター

※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています

※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者の想起力や消費喚起力を表していない点にご留意ください

女性のSNSシェアを狙うなら「投資型」のIPを起用する

IPコラボを女性にSNSシェアしてもらいたいとき、タイアップするIPによってその効果が大きく異なります。

女性支持が強いIPで、かつ、1人あたり平均IP消費額が高い「投資型」のIPを起用すると、多くのSNSシェアが期待できるでしょう。

女性のSNSシェアを狙うなら「投資型」のIPを起用する

女性に人気の投資 型のIP

  • 呪術廻戦
  • クロミ
  • ONE PIECE

※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています

※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者の想起力や消費喚起力を表していない点にご留意ください

調査概要

  • 調査期間: 2025年1月10日(金) 〜 2025年1月15日(水)
  • 調査手法: インターネット調査
  • 設問数: 計25問(Background: 5問 / Screener: 4問 / Main: 16問)
  • 回答時間目安: 約10分

調査サンプル

15〜69歳の男女1,364名を対象に、年齢・性別ごとのサンプル数が均等に近づくように回答を収集した。

データの前処理

  • Q3、Q7、Q11、Q15の4つの設問について、ライセンサー名(IP名)またはライセンシー名(企業名やブランド名)を回答していないもの、および、各設問が求める回答内容になっていないものを無効回答として集計・分析の対象から除外する処理を行ないました。
  • 一部の集計・データ分析において、1名の回答者の回答を2件の回答レコード(2件のIPコラボに関しての回答)として取り扱っています。

ディスクレーマー(注意事項)

  • 本アンケート調査結果は、アンケート調査会社が提供するリサーチパネル(モニター会員)である15〜69歳の男女1,364名に対して実施したものです。ごく限られたサンプルにおける調査結果である点にご留意ください。

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