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【調査レポート】IPコラボのメインターゲット 30〜40代が思い出すIP・買いたくなるIP

株式会社Minto
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株式会社Minto
【調査レポート】IPコラボのメインターゲット 30〜40代が思い出すIP・買いたくなるIP

株式会社Mintoは2025年1月に、15〜69歳の消費者1,364名に対して、IPコラボ*に関するアンケート調査を実施しました。この調査の目的は、消費者がどのようなIPコラボに対して好意的に反応し、購買・参加の欲求が高まるのかを分析・理解することです。

*ゲームやアニメ、マンガなどのキャラクター(IP)と、企業やブランドがコラボレーションし、共同で商品やキャンペーン、コンテンツを企画・製作・販売する取り組みのこと

IPコラボは今やマーケティング手法のひとつとして定着し、様々な商材・業界で活用されています。人気IPとコラボすることが、企業やブランドの認知や新規購入者、ファンの獲得に効果があることは明らかですが、その効果を最大限に高め、より多くのマーケティング効果を得るための方法論はまだ確立されきってはいません。

本稿では、そんなIPコラボの方法論の一部を解明することを目指しています。

調査結果サマリー

本調査の結果から導き出した、30〜40代をターゲットにしたIPコラボを成功させるためのポイントをご紹介します。

30〜40代のIP好意度は94%にのぼり、他の世代と比較してIPへの消費額も高い傾向

マンガやアニメ、キャラクターなどのIPについて、30〜40代の94%が好意的な反応を示しており、企業とのコラボ企画にも好意的な印象を示していることがわかりました。

IPへの消費額も約6万円と、他世代の1.5〜2倍程度と非常に高い傾向も見られています。

 

「博愛型⇔偏愛型」「娯楽型⇔投資型」それぞれの特性に合わせた起用IP選定・企画設計が必要

IPとの関わり方について、1人あたり平均IP消費額に応じて、キャラクターへの”推し”や”応援”の文脈で購買される「投資型」と、コンテンツとしての可愛さ、面白さの文脈で購買される「娯楽型」の2パターンがあります。

また、すべてのIPファンによる合計IP消費額に応じて、多くの人に愛される「博愛型」と、特定のコミュニティに強く愛される「偏愛型」の2パターンで分類できることがわかりました。

IPの特性に合わせて、起用するIPの選定や企画を設計することが求められています。

“30〜40代” について

“若者” の定義と、IP消費傾向

本調査において「あなたの年齢をお知らせください。」という設問で「30〜39歳」「40〜49歳」に含まれる年齢と回答した方を「30〜40代」と定義しています。

“30〜40代” のIP消費額は多く、特に30代は全年代中で一番

一般的に「壮年期」と呼ばれることもある30〜40代の方は、消費力も消費意欲も高いという特徴があります。

特に30代は、今回のアンケート調査のすべての年代の中で、最もIP消費額が高いセグメントでした。

<考えられる理由>

  • 収入が増え、家計が安定し、生活に余裕が出てくるため、可処分所得をIP消費を含む趣味や嗜好品に費やしやすい
  • 40代後半〜50代になると、子あり家庭の場合には教育費をはじめとした支出が急増するが、30代の場合にはそのような支出が比較的少ない
  • 自身のIP消費だけではなく、子どものIP消費に対しての支出機会も多く、支出意欲も高い

30〜40代の約15%が、IP関連の消費額が年間50,000円を超える

30〜40代の年間IP消費額について、分布は以下のグラフのとおりです。

最も多かった回答は「1,000〜4,999円」でしたが、IP関連の消費額が年間50,000円を超えるという回答者も約15%にのぼり、少なくない割合の消費者がIPに多額の支出をしていることがわかります。

30〜40代の中で最も消費力・消費意欲が高いのは、30代の既婚男性

30〜40代の年間IP消費額を性別と婚姻状況ごとに集計したところ、実際・理想のIP消費額がともに最も高い(最もIP消費力・消費意欲が高い)のは既婚男性であることがわかりました。

逆に、女性は未婚/既婚にかかわらず、実際・理想のIP消費額がともに男性よりも低く、また、未婚女性は理想のIP消費額が実際のIP消費額よりも低いということがわかりました。

<考えられる理由>

  • 未婚男性は既婚男性よりは自由にお金を使うことができるため、実際と理想に大きな乖離がない。
  • 既婚男性は家計のための支出割合が高くなるため、実際と理想に乖離が生じる。
  • 未婚女性は趣味や推し活の文脈でIP消費を(既婚女性と比較して)積極的にするが、倹約的な傾向もあり、理想のIP消費額が控えめになる。
  • 既婚女性は家計のための節約や家計を守るために節約志向が強まったり、子どもを含めた家族のために時間やお金を使ったりすることで、実際のIP消費額は少なくなるものの、消費意欲は高い。

“30〜40代” のIPとの関わり方

30〜40代の94%が、IPが「とても好き」または「まあまあ好き」

IP全般(マンガやアニメ、キャラクター)について、「とても好き」または「まあまあ好き」と答えた回答者の割合は、回答者全体では約88%、30〜40代のみでは約94%でした。

30〜40代の70%が、IPコラボによって購買・参加の意欲が高まる

過去3ヶ月以内に見かけたIPコラボについて、それによってコラボ商品の購買意欲が高まったり、コラボキャンペーンへの参加意欲が高まったりするか、という質問に対して「高まる」と答えた回答者の割合は、回答者全体では約67%、30〜40代のみでは約70%でした。

30〜40代によく想起されたIPは「ちいかわ > ONE PIECE > ポケモン」

30〜40代が過去3ヶ月以内に見かけたIPコラボにかかわるIPについて、回答が多かったIPは上から順に「ちいかわ > ONE PIECE > ポケモン」でした。

男女にバランスよく想起されるIPも多い一方で、例えば「サンリオ」は女性に偏り、「ドラゴンボール」は男性に偏るなど、想起のレベルでも男女差が顕著に表れるIPがあることが明らかになりました。

実際のIP消費額/人 が高いIPは「ONE PIECE > ガンダム > 呪術廻戦」

30〜40代が過去3ヶ月以内に見かけたIPコラボにかかわるIPについて、そのIPの2024年の1年間の実際のIP消費額を聴取し、回答者の1人あたりの平均値を算出したところ、以下のような結果になりました。

実際のIP消費額が多かったIPは上から順に「ONE PIECE > ガンダム > 呪術廻戦」でした。

理想のIP消費額/人 が高いIPは「ガンダム > ONE PIECE > コナン」

30〜40代が過去3ヶ月以内に見かけたIPコラボにかかわるIPについて、1人あたりの実際のIP消費額が一定以上で、かつ、1人あたりの理想のIP消費額が高いものについて調査したところ、トップ3は「機動戦士ガンダム > ONE PIECE > 名探偵コナン」でした。

消費の伸びしろが大きいIPは「ドラゴンボール > ガンダム > コナン」

30〜40代が過去3ヶ月以内に見かけたIPコラボにかかわるIPについて、実際のIP消費額が一定以上で、かつ、理想のIP消費額が実際のIP消費額と比べて高いもの(消費の伸びしろが大きいもの)について調査したところ、トップ3は「ドラゴンボール > 機動戦士ガンダム > コナン」でした。

IPコラボにおけるIP選定のポイント

各IPについて、30〜40代のIP消費額(平均・合計)を計算

本アンケートで取得した各指標にもとづき、政府統計の人口推計なども利用して、各IPのIP消費額(平均・合計)を計算。
以下には、その中でも特に「推計される30〜40代の合計IP消費額(2024年)」が多かったIPトップ11を表示しました。

  • ※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています
  • ※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者の想起力や消費喚起力を表していない点にご留意ください
  • 1: 想起率の計算方法 【すべての回答者のうち、各IPを想起し回答した回答者の割合】
  • 2: 推計される合計IP消費額の計算方法 【1人あたり平均IP消費額×想起割合×30〜40代の人口】(30〜40代の人口は 2,964.2万人 として計算 参照元: 総務省統計局の人口推計-2025年3月報-

30〜40代に人気のIPと、それらのIPの平均消費額・合計消費額

本アンケート内でよく想起されたり、高い消費額(平均・合計)になっていた、30〜40代に特に人気の高いIPを、「30〜40代の1人あたり平均IP消費額/年」と「推計される30〜40代の合計IP消費額/年」という2つの軸で整理しました。

<解説>

  • 1人あたりの平均IP消費額が高いIPは、映画が長年にわたり公開され続けているという特徴がある(例: 『ONE PIECE』『機動戦士ガンダム』『名探偵コナン』)。
  • 推計される合計IP消費額が高いIPには、キャラクターの可愛さに注目が集まる『ちいかわ』『ポケットモンスター』や、推し活文脈でも注目を集める『呪術廻戦』『鬼滅の刃』などが含まれる。

  • ※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています
  • ※本データはあくまでも、今回のアンケート調査の結果を踏まえた内容であり、必ずしもすべての消費者のIP消費額を表していない点にご留意ください

30〜40代がIPと関わるときの4つの態度 「投資型・娯楽型」「偏愛型・博愛型」による整理

1人あたり平均IP消費額/年を【娯楽型・投資型】、推計される合計IP消費額/年を【博愛型・偏愛型】という軸に置き換え、各IPがファンにとってどのような存在かを整理しました。

IPコラボでIPを起用する際には、このようなファン心理を理解したうえで企画を立てる必要があります。

<解説>

  • 投資型・娯楽型
    • 「応援したい」「価値を広げたい」などの文脈で関わる「投資型」と、消費の喚起力に応じて「可愛い」「面白い」などの文脈で関わる「娯楽型」に分類される。
  • 偏愛型・博愛型
    • 特定のターゲット内で想起され強いコミュニティが形成される「偏愛型」と、ターゲットを問わず幅広く想起され、認知度が非常に高い「博愛型」に分類される。

IPの接触日数(≒想起力)と支出金額は、おおむね比例する

GEM Standardが提供する30〜40代のIP関連のデータを参照したところ、IPとの接触日数(≒想起力)と支出金額はおおむね比例する傾向が見られました。

より想起力の高いIPを起用するほど、IPによる支出金額の向上が見込める可能性があります。

  • ※支出金額: 推しファンが各「エンタメブランド」についてメディアを問わず1カ月に支出した金額の合計値
  • ※接触日数: 推しファンが各「エンタメブランド」についてメディアを問わず1カ月に接触した日数の合計値
  • ※グラフ作成の都合上、一部のIP名に通称や略称を利用しています
  • ※GEM Partners調べ

男女いずれかに偏って人気のあるIPは総消費額が高い傾向にある

GEM Standardが提供する30〜40代のIP関連のデータを参照したところ、男性/女性いずれでも、いずれかの性別のファン比率が高いIPのほうが支出金額が大きい傾向が見られました。

よりターゲットが明確でコアファン比率の高いIPほど、消費意欲も高いと考えられます。

調査概要

  • 調査期間: 2025年1月10日(金) 〜 2025年1月15日(水)
  • 調査手法: インターネット調査
  • 設問数: 計25問(Background: 5問 / Screener: 4問 / Main: 16問)
  • 回答時間目安: 約10分

 

調査サンプル

15〜69歳の男女1,364名を対象に、年齢・性別ごとのサンプル数が均等に近づくように回答を収集した。

データの前処理

Q3、Q7、Q11、Q15の4つの設問について、ライセンサー名(IP名)またはライセンシー名(企業名やブランド名)を回答していないもの、および、各設問が求める回答内容になっていないものを無効回答として集計・分析の対象から除外する処理を行いました。

一部の集計・データ分析において、1名の回答者の回答を2件の回答レコード(2件のIPコラボに関しての回答)として取り扱っています。

注意事項

本アンケート調査結果は、アンケート調査会社が提供するリサーチパネル(モニター会員)である15〜69歳の男女1,364名に対して実施したものです。ごく限られたサンプルにおける調査結果である点にご留意ください。

調査内容をご紹介・引用・転載される際は出典元として「株式会社Minto」を明記の上、ご利用をお願いしております。

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